小説

闇の女王にささげる歌(1978)

ローズマリー・サトクリフ サトクリフも「ケルトの白馬」(こちら)以来つん読状態であるが、サンディー・デニーで再びケルトに触れたので、がんばって読んでみようかな。 古代ローマ皇帝ネロの時代にローマと戦ったケルトの女王ブーディカの物語で、タキト…

魔女の宅急便シリーズ

角野栄子 一応例のアニメの原作であり、第1巻は読んでいた。続巻があることは知っていたが、食指は動かなかった。ところがである。キキとトンボが恋に落ちるですと〜!こうなるとどなたかがおっしゃっていたが(本人は自覚が無いが)ロマンチスト(劇爆)の…

風の陣 【立志篇】(1995)

高橋克彦 前にも書いたが改めて順々に読んでいる。一般的な日本史から計り知れない、この時代(奈良時代末期)の中央政権と蝦夷の関係に、目から鱗がおちる。しかし、うんざりするのはこの時代の政争の醜さである。もちろんそれに蝦夷をからめるのが高橋さん…

モンテ・クリスト伯

アレクサンドル・デュマ(・ペール) 我々の世代には「巌窟王」のほうが馴染みがある。少年少女世界の名作とかマンガで見た記憶がある。先日あるドラマで「巌窟王」の本が一瞬出てきていたので、そういえばちゃんと読んだ事がなかったなあ、と調べたら全部で…

風の陣

高橋克彦 この物語は、もう10年ぐらい前に第1巻が出たのだが、掲載雑誌の休刊があって、もしかしたらこのまま立ち消えになってしまうのかな、とも思っていたのだが、2001年から別の雑誌に連載が再開されていたようで、現在文庫でも3巻まで出ていて9月に…

火怨

高橋克彦 久々に読む。いわゆる阿弖流爲(アテルイ)の乱の話である。のっけから速い展開と同時に蝦夷の「気持ちのいい男達」が続々集ってくる。ここら辺の展開は見事。本当に「気持ちのいい男達」ばかりで、敵役の坂上田村麻呂もその分に漏れない。そして阿…

炎立つ 高橋克彦

久々に読んでいるが、4巻(第2部)から読み始めた。第1部の主人公藤原経清の遺児清衡が、母が父の敵である清原家に再嫁したため、母と共に藤原と安倍の再興を胸に秘めつつ清原として育っていかなければならない苦労。そして、父の敵ながらも、互いに認め…

神と宇宙人(と高橋克彦さん)

これを書けばすっきりするので、mixi からの侵食は一段落です。高橋克彦さんという小説家の方が書かれた「竜の柩」という作品があります。世界中の古代史、神話を綿密に研究し、「神」の正体は宇宙人であったという事を述べるための小説です。私も以前から旧…

コナンと髑髏の都

ロバート・E・ハワード 古本屋に行ったら、なんと偶然にも旧シリーズの1巻目を発見。新版の解説のよると、ランサー版といわれる全集の邦訳で、7巻までで頓挫したとか。(ちなみに今まで6種類の全集が出ているという、ややこしい)ざっとみると、デイ・キ…

新訂版コナン全集 第1巻『黒い海岸の女王』

ロバート・E・ハワード 正直言う。いわゆる「コナン」シリーズは全くの私の興味の外にあった。しかし、「今までの「コナン」シリーズには他人の手が入っており、今回の全集は、極力作者のみの作品、文章で構成される」という。こういうシチュエーションはわ…

ユリア・ヒープとユーライア・ヒープ

新しい本を読む気力が無いがなんか読みたくなって、随分久し振りになぜか「あしながおじさん」と「続あしながおじさん」を読む。(参考) で、前回読んだ時は気が付かなかった事を発見した。以前ユーライア・ヒープというバンドの名前は、ある小説の登場人物…

ケルトの白馬(2000)

Sun Horse, Moon Horse (1977) ローズマリー・サトクリフ 最近は時折娘のために図書館に行ったりしている。娘のそばを離れないようにして周りを眺めると当然少年少女向けの本が目に入るが、タイトルに惹かれて手にとって見ると、少年少女向けとはいえ侮れ…

ダンス・ウィズ・ウルヴズ(1988、翻訳:1991)

マイケル ブレイク 映画の原作を古本屋で購入。ほとんど映画と一緒なのは、作者が元々脚本家であり、小説の前に脚本が存在したから。ケヴィン・コスナー自身が脚本を気に入って、映画化しやすくなる状況を作り出すために、小説化を作者に勧めたらしい。 ただ…

たふさぎ(褌)

uzuram 様のところでも書いたが、大昔、(古本屋で買ったからさらに昔のバージョンだと思うが)村岡さんの赤毛のアンシリーズに「たふさぎ(褌?)」という言葉が出てきて調べた覚えがある。ところが、新しい本に買いなおしたところ、それが「シーツ」に替わ…

ハリー・ポッターと謎のプリンス(原本2005年出版)

発売当初に購入していたが、後回しになっていたのをやっと読んだ。いよいよ最終巻を後に控えて、物語はハリポタ史上たぶん最もテンポよく進み、あっという間に読み終えた。(ネタバレありなので、これから読む人は注意)たぶん多くの人が疑っていると思うが…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団

1週間かかって、やっと読み終える。今までと違い、いきなりのアクションシーンのあとは、ラストまで淡々とした(しかしハリーにはつらい)日常の描写が続く。特に前半は、感情移入して読むタイプにはつらいものがある。この作品は、読者の評価が2分してい…

ハリー・ポッターと炎のゴブレット

とうとう、高い正規版を買ってしまった・・・・・。前半は、登場人物の、この年齢特有の感情の機微を、大人になった自分がもどかしく思いながらも、そういえば自分もああだった、こうだった、しょうがないよなあ、と納得しながら読み進める(ハリーとロンの…

作家 松尾スズキ

直木賞、芥川賞が発表されたが、松尾スズキが芥川賞候補とは知らなかった。小説以外は何冊か読んでいたが、小説も読みたくなるではないか。

ハリー・ポッターとアズカバンの囚人(携帯版)

2作目からなんとなく感じていたが、これはファンタジーと言うよりミステリーである。しかもSFにおけるアシモフ並の上手さである。また次が読みたくなるではないか!でも3,800円と4,000円ってやっぱり高くないか?しかし、4,5の携帯版はしばらくでない…

ハリー・ポッターと秘密の部屋

この本が話題になった頃は、とても高くて買う気がしなかった。携帯版が出ていたので、やっと見ることができた。1作目は面白い事は面白いが、ファンタジーとしての深みに欠けるのでは?と思ったが、2作目を読んでみると、細かい伏線が張り巡らせれており、…

ハリー・ポッターと賢者の石

ばく食え(2004)

吉田光彦 (漫画) 高橋克彦 (原作) 「総門谷」以来、数多くの高橋作品で挿絵を書いている、イラストレーターの吉田光彦さんが、高橋さんの4作品を漫画化したもの。吉田光彦さんは、それこそ、20数年前漫画雑誌「ガロ」で漫画を書いていて、けっこう好きだ…

天国と地獄の美女

昨夜NHK教育の人物伝「乱歩」、パノラマ島奇談の映像として「天国と地獄の美女」というのが使われていた。70年代の天知茂の明智小五郎シリーズのようで、知らなかった。伊東四朗、叶和貴子共演で、時代を感じる。映像はけっこうトホホだったが。

市立博物館の忍者展

今朝、何気なく、今読んでいる小説に忍者が出ているため、ネットで全国の忍者分布を調べていた。 久々に好天の日曜ということで、遊具つきの公園にでもとでかけたら、菊祭りをやっていて、車を止める場所も無いので、別の公園を探す前に、とりあえずガソリン…

隆慶一郎

久々に隆慶一郎氏の「捨て童子・松平忠輝」を読み返す。すると「影武者徳川家康」も読み返したくなる。この2作の忠輝像は、ほとんど同一人物で(あたりまえか)そういえば高橋英樹のドラマ版「影武者徳川家康」は、かなり「捨て童子・松平忠輝」からもエピ…

「吉原御免状」が舞台化

大ファンである隆慶一郎氏の「吉原御免状」が舞台化されるようである。この人の作品の映像化は、心ののどこかでひそかに希望しているが、出来上がりを懸念して複雑な心境になる。いつか横山光輝さん以外で「捨て童子・松平忠輝」をマンガ化してほしいのだが。

リプレイ(REPLAY) 1987「リプレイJ

ケン・グリムウッド 今泉 伸二 ある中年の男が、突然18歳の時代に戻ってしまう、という話。「リプレイJ」はそのモチーフだけを借りたオリジナルのマンガで、コミックバンチに連載されていた。時代も自分も過去に戻るが記憶はそのままなので、それから歴史上…

どすこい。(2000年、文庫化2004年)

京極夏彦 この人の作品は、ある時、そのサイコロのような文庫本をごっそり買い込んだ直後に、テンションが下がって、未だ手をつけていないので、大変申し訳なく思っている。で、この作品は、(読んだ事も無いのに)京極夏彦のイメージと違う感じであるという…

本日は、話題が無いので、昨日書店で衝動買いをしたが、まだ読んでない本について書いてお茶を濁す。

ゲシュタルト崩壊

以前、筒井作品で「ゲシュタルト崩壊」についてかかれた作品を思い出せないと書いたが、「筒井順慶」という作品だった。作者が自分の先祖である戦国武将「筒井順慶」について書くことになるとこらから始まるもので、その導入部だった。ずっと時代小説の部分…