黄金の洋楽ライブ ザ・ドアーズ(1967〜1969)NHK衛星第2

わたしは、なぜかジム・モリソンもドアーズもよく聴いたことが無い。思い出してみると、ビートルズから直接70年代ロックにつながり、その後はプログレにどっぷりつかっていたので、60年代はどうしても後追い傾向があるのだ。名曲「ジ・エンド」もニコのカバーで聴いていたりする。
で、今回見た映像は、1967年〜1969年のTVショー用のライブと、現在のメンバーのインタビューや当時のインタビューをおりまぜたもので、ドアーズの外郭を知るにはうってつけだった。改めて彼らの音楽を聴くと、全くのワン・アンド・オンリーの音楽性であることがわかる(どうせ60年代ロックだろとたかをくくっていた私は大反省)インタビューでも言っていたが、ジム・モリソンの歌詞を聴かせるのが第一義で、それにあわせインプロヴァイズを何度も試行して曲を完成させていくという、一種異様な曲作り。たいがいはどんなバンドでも、例えば「A、A’、B、A」等と言う形式を無意識のうちにも取るわけだが、そういうものを全く取らずに延々10分以上の曲にしてしまう(ジ・エンド等)
ベーシスト不在と言うことは、この音楽性にはっきりしたベースのグルーブが不要ということなのだ。キーボードも、ギターも、ジャズともカントリーとも、ブルースともクラシックともいえない鵺の様なスタイルでサイケディリック音楽を形作る。これはちゃんと聴かねばならないではないか。