Concerts (1976)

Henry Cow
さんざん再発しろと言っていたヘンリー・カウのライブがいつの間にか出ていたのであわてて購入。
このバンドは、緻密な前衛的変態曲とフリー・インプロの2本立てで、構成楽器にヴァイオリン、フルート、クラリネット、リコーダー、バスーンオーボエ等があるためチェンバー・ロックという言い方もされた。そして、スラップ・ハッピーのボーカル、ダグマー・クラウゼを強奪(?)して3本立てとなる。その絶頂期のライブである。この後、1枚アルバムをダグマー抜きで出すも、ドラムのクリス・カトラー、ギターのフレッド・フリス、ボーカルのダグマー・クラウゼはアート・ベアーズ結成に動く。
最近知ったのだが、上記のダグマー抜きのアルバム("Western Culture" 1978)であるが、実は、ダグマー入りで製作されたアルバムが、他のメンバーのカウっぽくないという意見からカウとして発売せず、新たに録音されたもので、そのカウっぽく無いといわれた録音がアート・ベアーズ名義のファーストとして発売された"Hopes and Fears"(1978)だったのだ。(参)どおりで、カウのメンバー総出演だと思った。
それはさておき、元々アナログ2枚組みにボーナストラック付でCD2枚分たっぷり収録されているが、待望のアルバムなので、あっという間に聞き終える。CD1はダグマーの歌と緻密な前衛的変態曲中心。ダグマーの歌も大分こなれてきているし、ライブということもあり、メンバーののりが素晴らしい。また、なんと比較的聴きやすい!こういう種類の曲でのりがよくて聴きやすいというのもすごい話だ。CD2は徹頭徹尾フリーインプロ、大まかな構成はあらかじめ決めてあると思うが、アナログC面の曲は30分近くノンストップである。それでいて一切の中だるみも無く押し通すセンスは尋常ではない。やはりすごいバンドであった。アートベアーズも良いのだが、あと2,3枚ぐらいカウで出してくれても良かった気がする。