ヴェルディ「ドン・カルロ」イタリア語 5幕版

サンティーニ指揮 ミラノ・スカラ座管弦楽団(1961)
フラヴィアーノ・ラボー:ドン・カルロ
アントニエッタ・ステッラ:エリザベッタ
フィオレンツァ・コッソット:エボリ公女
エットーレ・バスティアニーニ:ロドリーゴ
ボリス・クリストフ:フィリッポ2世

ミラノ・スカラ座/ヴェルディ・ボックスである。
ドン・カルロ」のフランス語5幕版は3時間半、改訂したイタリア語4幕版は3時間、そして何回かの改訂を経た最終のイタリア語5幕版は3時間10分、フランス語5幕版を各所切り詰めた感じか。やはりストーリー的には5幕版がすわりがいい。が、削られた音楽はもったいない。結局は決定版は無いと言うことか。
サンティーニという指揮者は初めて聴くのだが、ヴォリュームコントロールがトスカニーニを思わせる所もあり、全体になかなかにダイナミックで切れ味がいい。名盤扱いもうなづける。しかし、例えば最終幕、シュタイン盤(こちら)にあったような精緻で幽玄な雰囲気(ヤノヴィッツの存在が大きいと思うが)はこちらには無い。個人的にはそこが気に入っていたのだが。
歌手陣の中ではバスティアニーニ、ついでラボーが素晴らしい。二人の二重唱は惚れ惚れする。
他も名前を見る限り豪華は豪華だが・・・。これがヤノヴィッツやヴァーレットだったら・・・(年代的にギリギリか)等と無理な事を思ってしまう。