ベームの ワーグナー「神々の黄昏」

ワーグナー「神々の黄昏」
ベーム指揮 バイロイト祝祭管弦楽団(1967)
ジークフリート:ヴォルフガング・ヴィントガッセン
グンター:トーマス・スチュアート
アルベリヒ:グスタフ・ナイトリンガー
ハーゲン:ヨーゼフ・グラインドル
ブリュンヒルデビルギット・ニルソン
グートルーネ:リュドミラ・ドヴォルジャコヴァー
ヴァルトラウテ:マルタ・メードル
ヴォークリンデ:ドロテア・ジーベルト
ヴェルグンデ:ヘルガ・デルネシュ
フロースヒルデ:ジークリンデ・ワーグナー
第1のノルン:マルガ・ヘフゲン
第2のノルン:アンネリース・ブルマイスター
第3のノルン:アニヤ・シリヤ
バイロイト・BOXである。
以前、序幕の2重唱あたりをつまみ食いした時に
「音楽の流れが悪い」と書いたが
http://hakuasin.hatenablog.com/entry/2016/04/28/041711
3人のノルンを含めた序幕全体がなんだか流れが悪い。アニヤ・シリヤはノルンの柄ではない。ヴィントガッセンは盛りを過ぎているし、全盛期のはずのニルソンもなんか万全ではない。
1幕が始まると、だいぶ持ち直してくるし、他の歌手は完璧とは言わないまでも万全である。序幕のていたらくはいったいなんだったのだろう。
歌手を万全と書いたが、かつてはヴァルナイ、ニルソンとブリュンヒルデを分け合っていたマルタ・メードルのヴァルトラウテ(メゾ)は、衰えようが激しくて痛ましい。
さて、今まで、クナの「神々の黄昏」バイエルン国立歌劇場盤や、ショルティの指環、そしてこのベームの指環と、ニルソンのブリュヒルデを聴いてきているが、いまだに彼女のブリュヒルデの良さがわからんなあ。
そんなこんななので、個人的には手放しでベームの指環を勧めないけれど、ショルティ盤と同程度には世間的に名盤扱いなんだろう、ということで察していただきたい。