久々に見た「エクスカリバー」(1981)

久々に「エクスカリバー」(1981)を見て、見落としていた事に気付いた。
パーシバルが持ち帰った聖杯でアーサーが復活するくだりは、やはりワーグナーの「パルジファル」そのものではないか!
これでますます、以前に書いた「この作品はアーサー王伝説ワーグナーの世界観で再構築した作品」という私説が確固たるものになった。
ちなみに、この映画はマロリーの「アーサー王の死」を忠実に映画化している、と書いている人がけっこういるが、「アーサー王の死」を読んでいないとしか思えない。
大きな違いは、エクスカリバーの喪失が大地(=アーサー王)の荒廃を招き、大地を救うために聖杯探求がなされるという点で、聖杯探求のせいでパーシバル以外の円卓の騎士はみんな死んでしまう。また最後の戦いで逃亡していたランスロットが円卓の騎士として死ぬために戻ってくる。こんな重要な展開が「アーサー王の死」に存在しないのに、どこをどう取ったら「アーサー王の死」の忠実な映画化と言えるのか。
これを改めないと、アーサー王伝説入門編としてこの映画が扱われてしまう。それはそれで悪くないのだが、アーサー王伝説そのままではない事はちゃんとひろめるべきだと思う。
この映画について以前書いた内容は以下。

http://hakuasin.hatenablog.com/entry/20060925/p1

http://hakuasin.hatenablog.com/entry/20101208/p2

http://hakuasin.hatenablog.com/entry/20110105/p1