柳原白蓮(「花子とアン」で仲間由紀恵が演じたのが記憶に新しい)と共に「大正三大美人」と謳われた九条武子の名を初めて目にした事情は、ちょっと普通と違っていたと思う。
若い頃読んだスピリチュアル系の本触れられていたのだが、九条武子が早世した後、霊媒師が九条武子の霊が降りてきたという事が世間を騒がせ、その真偽も論議を呼んだのだが、盟友である柳原白蓮が彼女との間には二人にしか知らない呼び方があるので、それを知っているなら本物であると語り、結局詐称であるということがばれた、という話であった。
最近読んだ本で、戦前の話だが、ある女性が宗教的な興味があり柳原白蓮と岡本かの子を愛読していた、というのを見て、そう言えば九条武子についてあまり知らなかったな、と思って図書館で「九条武子の生涯」(末永文子著)という本岡本かの子の作品集と共に借りてきた。
西本願寺大谷家の姫として生まれ歌人として名をはせるも不幸な結婚に苦しみあげくに関東大震災で被災、その救済活動に端を発した貧困層の救済、治療活動に生きがいを見出すも、その不衛生な環境から敗血症にかかり42歳で早世、その従容たる死にざままで非常に考えさせられる内容であった。
作品も読んでみたいと思ったが主要作である「無憂華」も古い出版に高値がついている。なんとか気軽に文庫かなんかで読めるようにならないものか。
また柳原白蓮のように映像化とか小説化とかも調べたが、映像は戦前に無声映画があるのみ。小説ではないが劇作家でもある長谷川時雨が「近代美人伝」の中の一編で取り上げている模様。また読みたくなる女流作家に出会ったぞ。