ゲド戦記とネイティブ・アメリカン

ネイティブ・アメリカンのことを勉強してゆくと、ゲド戦記について漠然と思っていたことに、確信をもつようになっていった(そんな大げさな事ではないが)魔法と魔法使いを擁する赤褐色の肌を持つアーキペラゴ人と、魔法も魔法使いも持たず、ブロンドの髪と白い肌を持ち、アーキペラゴへ暴力的に略奪にやってくるカルガド人、これは、どう考えてもネイティブ・アメリカンと白人のことではないか。もちろん厳密な意味でモデルとしているわけでは無いのは明らかだが、暗喩的に意識はしていると思う。前にもアーシュラ・K・ル=グウィンの両親について、ちょっとだけ書いたが、子供の頃、父親からインディアンの伝説を話してもらったという文章を書いているし、やはり影響はあったのだと思う。