不自然な死(1927)

ドロシー・L・セイヤーズ
なんとも不思議な推理小説、犯人はわかっているのに殺人である証拠が無いし動機も無い。こんな推理小説は読んだことが無かった。解説にP・D・ジェイムズの「探偵小説が犯罪小説に変化する手助けをした」という言葉が引用されているが納得。また、犯人がわかっているので、「どんでん返し」ではないのだが、それに近い大仕掛けもある。単なる推理パズルではない深みが、いかにもイギリス風である。