アーサー・C・クラーク
ハヤカワから、全3冊でクラークの文庫未収録作品を含めた日本独自編集の短編集が出るということで、その第1冊。
「幼年期の終り」の原型短編「守護天使」が収録されているということで購入。
出世作の「太陽系最後の日」(1946)から1949年までの作品を収録。
その「守護天使」は原型というか、ほとんど「幼年期の終り」の第1部そのまま(「幼年期の終り」は若干引き伸ばしてある)
科学が沈滞し、芸術家になるより、科学を志す若者が異常者扱いされる時代を描く「コマーレのライオン」で主人公が訪れる世界が、光瀬龍の「百億の昼と千億の夜」の「ゼン・ゼンシティ」や「マトリックス」の先取りのような世界で、さらに畳み掛ける落ちも秀逸。
ちなみに知らなかったが、クラークは13歳のときに、ステープルドンの「最後にして最初の人類」と出会い人生が変わったとか。なるほど、確かに両者の作風というか、コンセプトには共通点がある。
「最後にして最初の人類」は文庫にならんのかな〜。読みたいんだがちょっとお高いからなあ。でもぐずぐずしてると廃版になりそうだし。