ワーグナー「トリスタンとイゾルデ」

ティーレマン指揮 ウィーン国立歌劇場管弦楽団(2003)
トリスタン:トマス・モーザー
イゾルデ:デボラ・ヴォイト
ブランゲーネ:ペトラ・ラング
マルケ王:ロベルト・ホル
クルヴェナール:ペーター・ヴェーバー
メロート:マルクス・ニーミネン
牧童:ミヒャエル・ロイダー
水夫:ジョン・ディッキー
「前奏曲」と「愛の死」については先日書いたが(こちら)やはり全体の中の一部として聴くべきであった。
この演奏がフルトヴェングラーベーム、C・クライバーといった歴代の名盤より優れているとは言えないかも知れないが、決して劣っているわけではない。それだけでもすごい事である。
ネット上では賛否両論であるが、ベームやC・クライバーのような鮮烈な演奏を期待して聴くと肩透かしを食らうので、そういう人たちがけなしているのかもしれない。
その代わり、展開や息遣いが自然で、安心して「トリスタン」の世界に浸れる、と言う点ではクナッパーツブッシュに近い演奏で、そういう点を評価する人たちが褒めているような気がする。

しかし、個人的にはやはり、ビブラートの多いデボラ・ヴォイトはいやだな。
これで、ヨッフム/ヴァルナイ盤はいつ入手できるかわからないので、再度クナを聴いたらやっと「トリスタン」もひと区切り。
1955年のクナの「神々の黄昏」をはさんで、いよいよ最後の壁「パルジファル」で、ワーグナーサイクルも終わる予定だが、例のヘンデルやらも間に挟んでいく予定。