シューリヒトのワーグナー名演集 バイエルン放送交響楽団

シューリヒトのワーグナー名演集 バイエルン放送交響楽団(1961)
先日、ワーグナーの「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲について書いたのだが
http://hakuasin.hatenablog.com/entries/2016/08/22
上記にもある通り、シューリヒトの名前が無い。
シューリヒトの同曲の録音(それもオフィシャルのステレオ)がある事は、以前から把握していたが、ずっと入手不可だった。
なので、再度調べてみたら、なんと去年の秋に、発売されていたではないか!(タワレコ限定)
というわけで、なんとか購入した。収録曲は以下の通り。

「リエンツィ」序曲
ジークフリート牧歌」
ニュルンベルクのマイスタージンガー
第3幕への前奏曲~徒弟たちの踊り~第1幕への前奏曲
ローエングリン」第1幕への前奏曲

マイスタージンガーの3曲はもちろん、シューリヒトの「ローエングリン」第1幕への前奏曲の録音も、実はこれだけなのだ!さらに「ジークフリート牧歌」はシュトゥットガルト放送交響楽団の音源があるが、そちらはモノラル。また「リエンツィ」もミュンヘン放送交響楽団の演奏があるはずだがたぶん入手不可状態。なので、ファンにとってはお宝の1枚。
さて「ニュルンベルクのマイスタージンガー」の3曲は、切れ目なく演奏できるように編曲されているため、第1幕への前奏曲目当ての身としては若干違和感が残る。しかし、たぶんシューリヒトのみであろう強めの木管の切込みが実に新鮮。逆に、聴こえてほしい弦が引っ込んでしまっている部分があるのが残念。
しかし、他の曲も含めて全体的にシューリヒトらしい、速めのテンポながら無限のニュアンスに富んだ、実に豊かな演奏である。
シューリヒトを聴くと、音楽っていいなあ、と素直に思う。(クナを聴くと、音楽ってすごいな、恐ろしいな、と思う(笑))