サラステのシベリウス 交響曲第7番

シベリウス 交響曲第7番
ユッカ=ペッカ・サラステ指揮 フィンランド放送交響楽団(1988)
サラステシベリウスBOXである。まずは大好きな交響曲7番から。
一聴して、実に新鮮に感じた。楽器のバランスだろうか。いや、特に変わったバランスと言うわけではなく、すべての楽器が明晰に聴こえるということかもしれない。どの楽器がどの楽器の後ろにまわる、とかが無いので新鮮に感じたのかもしれない。(コンヴィチュニーベートーヴェン交響曲全集を思い出した)
また7番については今までさんざん、テンポの上がるところは最小限にしてほしい、と言ってきた。サラステも他の指揮者同様テンポは上がる。上がるが上がった感じがしない。せわしなさが無いのだ。気負いがない、というのだろうか。サラステについてはネット上であっさりしすぎて物足りない、という声があったが、それは違う。無限のニュアンスが潜んでいるこの演奏は、ちっともあっさりとはしていない。つまりは気負いの無さがあっさりに聴こえてしまうのだろう。これも一種の自然流である。うーん、これはいいぞ。この人の音作りはちょっと聴いただけでは理解されづらいかもしれないなあ。そこらへんが、聴いてすぐ面白さのわかるサロネンとの違いだが、個人的にはサラステのほうが理想のシベリウスだな。