昨年、ピーター・ガブリエル在籍時のライブが5組発売されていたことを今更知った。いわゆるブートレグの公式発売である。
この中で興味があるのが1975年1月24日のロサンゼルス公演の「眩惑のブロードウェイ」ツアーの最後の方のもので、以前「ジェネシス・アーカイブ」に収録されていたものと音源は同じだが「ジェネシス・アーカイブ」はサブ・マスターからで不備がある分ボーカルやギターのとりなおしがあったもので、今回は完全なマスター・テープが発見されたとの事。
「ジェネシス・アーカイブ」に収録されていなかったアンコールの「ウォッチャー・オブ・ザ・スカイズ」「ザ・ミュージカル・ボックス」も収録されていて、食指は動くが私にはどうしても忘れられない海賊盤があり、それがいつの演奏のものだったのかがわからない。
ネット時代になって便利になったもので、ジェネシスのブートレグ情報もけっこうわかるようになっていて、ジャケットの記憶から"As Though Emerald City"(上記ロサンゼルス公演からの抜粋)と"AWED MAN OUT"(1975年4月15日のロンドン公演からの抜粋)ではないかとあたりをつけた。
しかしである。上記2枚には「カウンティング・アウト・タイム」が収録されていない。私の記憶では「カウンティング・アウト・タイム」が収録されていたので違うのだろう。また一生懸命探すか。
私が聴いた「カウンティング・アウト・タイム」は、間奏のギターのエフェクトがスタジオ盤とも他のライブ音源とも全く違う。また間奏途中の"Move over Casanova"という歌の部分をダミ声のうなり声でしゃべっている(歌ってない)のである。これも他の音源では聴けない。
そして、この音源の「バック・イン・N.Y.C.」「ザ・ミュージカル・ボックス」がピーター渾身の出来で、これを聴いてしまうと他のどんな「バック・イン・N.Y.C.」「ザ・ミュージカル・ボックス」を聴いても物足りなく思えてしまう。
演奏も、他のどんな音源よりヘビーである。
前にも書いたが、自分のバンドで「バック・イン・N.Y.C.」をカバーした事があるのは、この音源を聴いたからなのだ。
ああ、死ぬまでになんとかもう一度聴けないものかなあ。