Live at Leeds(1970)

The Who
先日このアルバムは、彼らのハードロックバンドとしての面の代表作のような書き方をしたが、改めて、当時の流れにほぼ忠実に8曲プラスされたCDバージョンを聴くと、アナログ発売当初は、意識的にハードロックバンドとしての印象が強くなるような選曲がなされていたことがわかる。今回足された曲は、それこそモッズ系ポップス時代の曲や、2ndからの実験作、「トミー」の曲も含み、このバンドの多面性を表している。
しかし、彼らが徹頭徹尾ライブに一番魅力が現れるバンドであることに変りはない。(ピートは、ライブだとうまくいくのにスタジオではなかなかうまくいかないとこぼしていたそうだが)彼らの演奏は独特のうねりをもつ。ロックドラマーにしては珍しくハイハットを使用しないキースのドラムはローリングしまくっている。そして自らベーシストではなくベース・ギタリストだというジョンのベース。そこにピートのアグレッシブなカッティングがからむ。誰一人として欠けてもこのうねりは出ないだろう。一番弱いロジャーのボーカル(発声と音程が不安定なのだこの人は)も、逆にこのボーカルだからこそ、このうねりの中に溶け込んで、立派に一角をなしてるとさえいえる。