「炎立つ」に思う

第1部を見終わって一言。
ドラマ版の「炎立つ」は
第1部(安倍一族と経清)12回 
第2部(奥州藤原初代の清衡)8回 
第3部(奥州藤原三代の秀衡と四代泰衡)15回
の構成になっている。
しかし原作は第1部が3巻、第2部と第3部がそれぞれ1巻づつである。原作どおりのバランスになっていない。実はNHKは当初高橋克彦さんに「奥州藤原三代」の原作を依頼したのだが、一般に視聴者になじみのある源義経と三代秀衡の物語を中心にして視聴率を上げたいとの思惑があったという事は容易に想像が付く。(よって、上記のようなドラマ版の構成となる)しかし高橋さんは、四代の泰衡も含めたい、清衡の父経清と安倍一族から書きたい、と主張し、NHKもそれを飲んだ。しかし当初から全5巻と言われて、ドラマと同時に順次発行されていた原作が2巻まで出ても第1部が終わらない。私もその頃は一般と同じで安倍一族や経清についての知識もあまり無いし、義経が出てくるのを楽しみにしていたので、こんなんで、残りの話が収まるのか等と心配したものである。案の定原作は第1部で3巻を費やし、第2部第3部で1巻づつとなり、さらに原作の遅れからドラマ版は原作第3部を待たずにシナリオが書かれてしまった。秀衡を演じるはずの北大路欣也もスケジュールが都合が付かなくなったため渡瀬恒彦に替わるなど、現場も混乱した。NHKも当初の視聴率稼ぎの予定が狂ったことだろう。いったいこれは誰がいけなかったのか。高橋さんが悪かったのか。NHK側のスケジュール調整に問題があったのか。双方言い分はあるだろうが、実に惜しい。もうひとつ、三部構成なのだから、やはり他の大河と同じく1年を費やして欲しかった。