ドナ・サマー「情熱物語」(1983)

ドナ・サマー「情熱物語」(1983)
原題は"She Works Hard for the Money"で「彼女はお金の為に一生懸命働く」だから、さすがにこのままの邦題は無理だったか。
制作前にドナは、モロダーと再会し、何曲か提示されたが、当時のドナが納得する感じではなかったようで、これ以降モロダーとの録音はない。
困り果てたドナが思い出したのが、グラミー賞の授賞式で顔を合わせたマイケル・オマーティアン(クリストファー・クロスのデビューアルバムのプロデュース)である。
アルバムはほどんどが彼とドナ・サマーの共作によるもの。(当時のドナの夫、シンガー&ソングライターのブルース・スダノの曲もある)
しかし、アルバム完成後、またもやゲフィン・レコードからボツを喰らってしまった。おりしも、古巣カサブランカ・レコードとの訴訟問題が起こっており、あと1枚カサブランカ・レコードの為にアルバムを提供しなくてはならなくなり、渡りに船、とこの音源が利用され、カサブランカ・レコードの身売り先のマーキュリー・レコードから発売されたという経緯がある。そして、アルバムとして全米10位、シングルとして全米3位のヒットになったのだから、ボツを喰らわしたゲフィンにとっては皮肉な結果となった。(肝入りの前作は全米20位)
個人的には、シングル集のCDでタイトル曲「情熱物語」を聴いた時には、あまりにも当時のはやりに乗ったベタな曲に聴こえたせいもあって、アルバムには期待していなかったのだが、他の曲は、すべてでは無いにしろ、なかなか魅力的な曲がある。なんか、70年代の生き生きとしたドナが戻ってきた感がある。

レゲエ・グループ「ミュージカル・ユース 」と共演した"Unconditional Love"

 

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