フェレンツ・フリッチャイ

以前私は趣味嗜好にサイクルがあると書いたがフリッチャイのせいで、クラシック・モードになりそうだ。
先日彼の「エロイカ」(英雄)について「私の中の1位はやはりコレギウムだが、フルトヴェングラーのウラニア盤の上に来るかもしれない。」と書いた。
それで、もう一度コレギウム・アウレウムの「エロイカ」を聴きなおしてみたが、これはどうもフリッチャイの方が上になるかも知れない。(ってことは、私のエロイカのベスト1か?)ベートーヴェンの時代に使用されていた古楽器による演奏は、それはそれで、趣があって素晴らしいのだが、やはり木管の響きがくすみがちである(それこそが古楽器の魅力でもあるのだが)そこらへん(近代楽器だから当たり前だが)フリッチャイはくっきりと聴かせてくれる。フルトヴェングラーのテンポの動きによるロマンチシズムと違う方法論でのロマンチシズム(まだ把握し切れてないが、真摯な切なさと言うか、弾かせ方というか、楽器のバランスと言うか・・・)と古典派としてのすっきりさのバランス加減が絶妙である。細部へのこだわりと透明感は、室内楽を思わせる。この音作りの感じは、今まで私が聴いたどんな指揮者とも違う気がする。
この人実は、今まで私が思ってた以上にすごいのかも、と思ったら、欧州では日本では信じられないくらい未だに人気があって、正に巨匠、天才扱いらしい。知らなかった。また、実はライブがすごかったと言われているが、ライブ録音はかなり少ない、残念だ・・・・・
私は何人か好きな指揮者がいる。クナッパーツブッシュフルトヴェングラーカルロス・クライバー、シューリヒト、マタチッチ、朝比奈隆 etc etc フリッチャイはその一角に確実に食い込んできた。うーん、何枚か購入してみよう。「新世界」もう無いのか?
ちなみに「新世界」だが、以前アナログ時代にえらい感動したと書いたが、当時はそんなに評判になっていなかった気がする。現在ネット検索したら絶賛の嵐である。先見の明だったと自分の中で自慢しよう。

PS.亡くなる寸前にブル8をやる気だったらしい!!嗚呼!!