ヤナーチェク「イェヌーファ」

マッケラス指揮 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(1982)
イェヌーファ:エリーザベト・ゼーダーシュトレーム
コステルニチカ:エヴァ・ランドヴァー
シュテヴァ:ペーター・ドヴォルスキー
ラツァ:ヴィエスワフ・オフマン
カロルカ:ルチア・ポップ

チェコ等のスラブ系のオペラは、まずはヤナーチェク
イェヌーファを孕ませたのは遊び人のシュテヴァ、しかし彼女を本当に愛しているのはその父違いの兄ラツァ、シュテヴァには村長の娘カロルカとの結婚話が持ち上がりイェヌーファは絶望、ラツァはイェヌーファに結婚を申し込むが、イェヌーファがシュテヴァの子を産んだと知りたじろぐ。
イェヌーファの継母コステルニチカ(イェヌーファは死んだ夫の連れ子)は良かれと思ってイェヌーファを薬で眠らせている間に赤ん坊を川へ捨て、イェヌーファとラツァには病気で死んだと伝える。
イェヌーファとラツァとの結婚式のさなか、凍った川から赤ん坊の死体が発見され、そこから芋づる式に全てが露呈、カロルカはシュテヴァから去り、コステルニチカは罪を悔いて逮捕される。
残されたイェヌーファは、ラツァに自分を捨てるよう勧めるが、ラツァはあらためて二人で生きてゆく事を誓う。
最後は救われるのかもしれんが、あまり聞いていて気持ちのいいストーリーではないな。(チェコ版ヴェリズモ?)
従来のオペラ様式と、ヤナーチェクが「発話旋律」と名付けたチェコ語の抑揚を元にした作曲法がうまくマッチした作品とのこと。
マッケラス盤は、コヴァジョヴィツという指揮者が改定する前のオリジナル版らしい。
さて、チェコ語がわからないので「発話旋律」かどうかもよくわからないけれど、ドイツともイタリアともフランスとも違う、独特の音楽世界である事はわかる。
期待していたゼーダーシュトレームは、ちょっと予想と違う歌い方で、個人的には微妙。その分、テノール二人が出来が良いので救われる。
ルチア・ポップは出番がワンシーンのみで、これもがっかり。