ロジェストヴェンスキーのシベ5

シベリウス  交響曲第5番
ロジェストヴェンスキー指揮 モスクワ放送交響楽団(1973)
以前にも書いたが、シベリウスという人は、本来は楽想が湧き出でるタイプの作曲家なのだが(交響詩や、第1、第2を聴くとよくわかる)徐々にミニマル・ミュージックの先駆のように小さな音型を積み重ねる手法を取り出す。(改めて気づくが、ミニマル・ミュージックの先駆というのが、ブルックナーとの共通点だ!)そして、その要素と従来の彼のメロディ・メイカー的要素の対比が、後期の交響曲魅力だったりする。
そのミニマル・ミュージックの先駆的要素が第3あたりから顕れ始めるのだが、この第5はロジェストヴェンスキーの爆裂的演奏が、そのせっかくの対比の魅力が生かし切れていない感がある。HMVではこの第5の壮絶さを誉めて(?)いるが、正直最終楽章の盛り上がりが、逆に肩透かしになってしまっているのは否定できまい。