シベリウス ヴァイオリン協奏曲
ロジェストヴェンスキー指揮 ロンドン交響楽団(1965)
ヘンリク・シェリング(ヴァイオリン)
何回か書いているが、私の好きなヴァイオリニストは、古くはヘンリク・シェリング、新しくはヒラリー・ハーンである。
シベリウスにはまってきた頃、ヴァイオリン協奏曲も素晴らしいので、ハーンは入手したが、シェリングは(たぶん名盤のせいなのか)とても手が出ないような高値が付いていて、もどかしい思いでいたのだが、やっと手が出そうな値のユーズドが見つかって購入した。それでも入手した帯を見たら廉価盤だったので、元値の倍以上の値だ。いつかシェリングの全録音BOXでも出たら、きっとこの値段より安く入手できるような気がする。しかしこれだけBOXが溢れている時代に、シェリングのBOXが無いというのは、もう出ないんだろうか。だから高値なんだろうな。
さて、爆裂系のロジェストヴェンスキーだが、さすがにここは伴奏に徹している。徹してはいるが、その個性は消しきれない(笑)。なので、第1楽章はいつもは冷静なシェリングだが、それにつられてかいつもよりは弱冠エキサイト気味。なのでいい意味でヴァイオリンとオケが対抗している。
第2楽章の抒情性も充分だし、一般には激しめに演奏される第3楽章がしっとりとしてるのも、個人的には好ましい。
ヴァンスカ盤、ハーン盤に並んで、今まで聴いた中では断トツのベスト3だが、個人的には第1楽章は、もうちょっとしっとりと演奏してほしかったかな。
個人的にはやはりヴァイオリン、オケの渾然一体が理想なので、やはりヴァンスカ盤がベスト。