ホセ・セレブリエール 指揮 ボーンマス交響楽団(2006)
ストコフスキーという指揮者は戦前から戦後にかけてアメリカで一世を風靡した指揮者であるが、つまりは、アメリカ人に対して非常にわかりやすくクラシックを提示することに成功した、ということである。
その彼の手法の一つに編曲がある。ディズニーの「ファンタジア」におけるバッハの「トッカータとフーガニ短調」が有名だし、ムソルグスキーの「展覧会の絵」は、アナログ時代所有していた。
そんな彼の編曲にワーグナーがあることは知らなかった。お安いし「トリスタンとイゾルデ」もあったので、さらに毒を喰らわば皿まで精神で購入(笑)
「トリスタン〜」をモチーフとした『「トリスタンとイゾルデ」の交響的合成』は、おなじみの「前奏曲」と「愛の死」の間に第2幕の愛の情景を題材に編曲したものをはさんであり、全部で36分ほど。長時間のオペラを聴かなくても「トリスタン〜」の世界を楽しめるという仕組み。編曲と言うより切り貼りだが、起承転結がちゃんとついており、さすがにうまい。知らなければはじめからそういう曲だと言われても違和感は無いだろう。